大阪から高野山への車でのアクセス-4通りの行き方を比較-

大阪から高野山まで車で行く場合、最もスムーズな経路は、大阪市の中心部から高速道路を利用し、その後国道480号で高野山を目指す方法です。交通状態にもよりますが、高速道路を利用し、渋滞がなければ1時間40分~2時間ぐらいで着きます。 しかし、高速道路を使わず一般道のみを通るコースでも、渋滞等がなければ2時間程度で到着します。交通量や道路状況に左右されますが、時間帯によってはこちらもおすすめです。 このページでは、大阪から高野山まで自家用車で行く4つのルートを、地図を使って比較・解説します。 車以外の交通手段(鉄道、高速バスなど)も検討している方は、以下もご参照ください。 高野山へのアクセス -電車・車・バス・飛行機を比較-(ZueMaps)

このページに掲載しているルートマップは、下のカルーセルの地図帳でまとめて見られます。横にスライドして地図を切り替え、キャプションの文字をすればそれぞれのパートに素早く移動できます。

地図帳(大阪から高野山へのドライブマップ)

大阪から高野山に車で行く4つのルート

以下は、大阪市から高野山に車で行く4つのコースを表示した地図です。太い線は有料道路と高速道路です(無料区間を含みます)。

大阪から高野山へ(4コース)

経路を選ぶ際に注意する第一のポイントは、大阪府と和歌山県との府県境をどこで越えるかです。大阪盆地の南端には和泉山脈が横たわっており、どこかで峠越えをする必要があるからです。この峠越えの道順は主に3通りあります。

西から順に、阪和自動車道で雄ノ山峠を越える「西コース」、国道480号で鍋谷峠を越える「中央コース」、国道371号(高野街道)で紀見峠を越える「東コース」です。 大阪府内から高野山を目指す場合、時間優先であれば、ほとんどの場合で「中央コース」が最もおすすめのルートになります。距離が短い上に、2017年に鍋谷峠道路・父鬼バイパスが整備されたことで、走りやすい道にもなったからです。 上の地図では、大阪市役所を出発地にしたルートを2通り(高速道路を利用する場合と、一般道のみで高野山に行く場合)を表示しています。 キタ(梅田周辺)やミナミ(なんば周辺)から出発する場合も、道筋はほとんど変わりません。 大阪国際空港(伊丹空港)など大阪府北部から高野山に行く場合も、大阪の市街地でこの経路に合流することになります。 関西国際空港など、大阪府の南西部から高野山に行く場合は、阪和道を利用する「西コース」も有力な選択肢になります。 大阪府の東部から高野山に向かう場合も、いくつか選択肢があります。いったん奈良県に入るコースも考えられますが、所要時間で比較すると「中央コース」が第一優先になります。

しかし、歴史を味わいながら高野山に行きたい場合は、大阪府南東部の河内長野市から弘法大師・空海や楠木正成ゆかりの見どころを通って紀見峠を越える「東コース(高野街道)」の道もおすすめです。

以下は、和泉山脈を越えて和歌山県に入ってからのロードマップです。
橋本市・かつらぎ町から高野山

国道480号や阪和道を通って山越えをした場合は、かつらぎ町の「笠田東」交差点から南に進んで紀の川を渡り、そのまま国道480号で高野山の大門に向かいます。

国道371号(高野街道)で紀見峠を越えた場合は、橋本の南で紀の川を越えたら、そのまま直進して「紀の川フルーツライン」を進み、九度山から高野山に入っていきます。 紀の川の南で左折し、そのまま国道371号を通っても高野山に行けますが、東側を回るこのルートは道が悪いので要注意です。 九度山から高野山に入った場合、大門の手前の「笠立」交差点で国道480号に合流します。

大阪市中心部~高野山(高速を利用するルート)

ここからは、それぞれのルートの道順を具体的にご説明します。最初は、高速道路と国道480号を利用して大阪市中心部から高野山に向かうコースです。 阪神高速1号環状線(堂島~高津JCT)、阪神高速14号松原線(高津JCT~松原JCT)と阪和自動車道(松原JCT~岸和田和泉IC)を経由します。 所要時間は1時間40分~2時間、高速料金の合計は、普通車のETC料金で1360円です。

大阪~高野山(高速利用)

大阪市中心部~えびすJCT

大阪市役所付近から出発する場合は、まず「堂島料金所」から「阪神高速1号環状線」に乗ります。ここから有料道路になります。 「高津ジャンクション(道頓堀の近く)」で、「夕陽丘/1-14/なんば/松原/阪神高速14号松原線/西名阪自動車道/阪和自動車道」の標識に従って、「阪神高速14号松原線」に入ります。

大阪市中心部

えびすJCT~松原JCT

「えびすジャンクション」で、「阪神高速14号松原線/西名阪自動車道/阪和自動車道」の標識に従って、そのまま「阪神高速14号松原線」を進みます。 「松原ジャンクション」で、「和歌山/南阪奈道 方面 阪和自動車道」の標識に従い、「阪和道(阪和自動車道)」に入ります。

えびすJCT~松原JCT

松原JCT~岸和田和泉IC

「松原ジャンクション」から「阪和道」を24キロほど進みます。

松原JCT-岸和田和泉IC

岸和田和泉IC周辺

「岸和田和泉IC」で高速を出ます。その後、「岸和田/和泉方面」に向かって進み、「府道230号」を左折します。450メートルほど進んだら、右折します。

岸和田和泉IC周辺

岸和田和泉IC~大野町

3キロ先のテクノステージ南を左折し、「大阪外環状線/国道170号」に入ります。 2キロ先の「大野町北」を右折し、国道480号に入ります (「父鬼」の表示)。

松原JCT-岸和田和泉IC

大野町~北川橋東(鍋谷峠道路・父鬼バイパス)

このまま国道480号を13キロほど進み、鍋谷峠を超えて和歌山県に入ります。 大阪から高野山に行く場合、かつては和歌山県との境にある和泉山脈の山越えが難所でした。特に国道480号の鍋谷峠は道幅が狭く、「10回通ったら1回落ちる」という冗談さえ言われる「酷道」でした。 2017年に大阪府和泉市と和歌山県伊都郡かつらぎ町を結ぶ国道480号の「鍋谷峠道路」「父鬼バイパス」が開通したため、今はスムーズに山越えをすることができます。

大野町~北川橋東

北川橋東~笠田東

かつらぎ町の「北川橋東」を左折して、いったん県道125号に入ります (「橋本/国道24号」の表示)。国道480号が迂回しているためのショートカットです。 その後、笠田駅の南側で再び国道480号に合流し、「笠田東」を右折して「(「龍神/高野/世界遺産/丹生都比売神社/花園」の表示)、紀の川を渡ります。

北川橋東~笠田東

笠田東~大門

あとはひたすら国道480号を進み、山を登っていきます。 この辺りは、冬は雪が積もることがあるので、スタッドレスタイヤを装着する必要があります。ノーマルタイヤの場合は、事前に天候や道路状況をご確認ください。 「矢立」を右折してそのまま国道480号を進むと(「龍神/高野町街」の表示)、高野山の大門の辺りに到着します。

笠田東~大門

以下はNAVITIMEの、大阪市役所から高野山までの乗用車のルート検索結果です。 NAVITIME検索結果

大阪市中心部~高野山(一般道のみで行くルート)

次に、高速道路や有料道路を使わず、すべて一般道で大阪から高野山に向かうドライブルートをご案内します。 国道26号、泉北1号線などを経由して国道480号に合流します。すべて一般道でも、空いていれば2時間前後で高野山に到着します。

時間帯などにもよりますが、スムーズに行ければ、高速道路を利用した場合とそれほど変わらない所要時間で、千数百円を節約できることになりますね。

大阪から高野山へ(一般道のみ)

大阪市中心部~大和川大橋北詰

地図に表示しているのは、大阪市役所から出発した場合のルートです。 「国道26号」を南に進んで、住吉大社のあたりを目指します。

大阪市役所~大和川

大和川大橋北詰~府道30号

「大和川大橋北詰」を左折し、八尾街道を少し川沿いに進み、1キロほど先を右折して府道30号に入ります。

大和川大橋北詰~府道30号

府道30号~南陵町

府道30号を5キロほど進みます。

府道30号~南陵町

「南陵町」を左折し、「泉北1号線/府道34号」に入ります(「泉北ニュータウン」の表示)。

南陵町~室堂町北(泉北1号線)

「南陵町」から、泉北1号線を13キロほど進みます。

泉北1号線

「室堂町北」を左折して国道480号に入ります(粉河/河内長野 の表示)。

室堂町北~和泉納花

室堂町から国道480号を南に進みます。

南陵町~和泉納花

和泉納花郵便局の先で、右折します。直進方向も国道480号なのですが、鍋谷峠道路・父鬼バイパスへのショートカットを選びます。 その次を左折し、さらに南に進みます。

和泉納花~大野町

南陵町~和泉納花

大野町北の交差点も直進し、引き続き「父鬼バイパス」を目指します。

大野町~高野山

「大野町北」からは、鍋谷峠道路・父鬼バイパスで和泉山脈の山越えをして、国道480号をたどっていきます。

大野町~高野山

ここからは、高速を利用する場合と同じです。「大野町北」から高野山までのルート詳細は以下をご覧ください。 大野町~北川橋東(鍋谷峠道路・父鬼バイパス)北川橋東~笠田東笠田東~大門

大阪府南部(関西空港周辺)~高野山

関西空港、泉南市など、大阪府の南部から高野山への経路をご案内します。 大阪府南部からでも、和泉市大野町から国道480号の鍋谷峠道路・父鬼バイパスで和泉山脈の鍋谷峠を越えて和歌山県に入る「中央コース」が使えます。岸和田市からだと、それでもいいかも知れません。 しかしここでは、高速を利用するルートの道順をご案内します。少し西側に遠回りすることになりますが、関空や泉佐野から高野山に車で行く方法の中では、最も早く到着するコースです。

大阪府南部(関西空港周辺)~高野山

関西国際空港から阪和自動車道を利用し、和歌山ジャンクションを経由してかつらぎ西ICで出る道程です。 空いていれば、1時間15分ほどで高野山に到着します。高速料金は、普通車のETC料金で530円です(和歌山ジャンクションからの京奈和道は無料区間になっています)。

関西空港~泉佐野JCT

関西国際空港ICから関西空港自動車道(関西空港道)を進み、橋を渡ります。 さらに関西空港自動車道を6キロほど進みます。

関西空港~泉佐野JCT

泉佐野ジャンクションで、「泉南/和歌山 方面 阪和自動車道」の標識に従って進みます。

泉佐野JCT~和歌山JCT

泉佐野ジャンクションから和歌山ジャンクションまで、阪和自動車道を14キロほど進みます。和歌山ジャンクションの手前の雄ノ山峠で和泉山脈を越えます。 この山越えではS字カーブがあり、スリップ事故が多発しています。速度と急ハンドルに注意してください。

泉佐野JCT~和歌山JCT

和歌山ジャンクションで、「岩出/橋本方面 京奈和自動車道」の標識に従って進みます。

和歌山JCT~かつらぎ西IC

和歌山ジャンクションからかつらぎ西ICまで、京奈和自動車道を20キロほど進みます。

和歌山JCT~かつらぎ西IC

かつらぎ西PAに併設されている、かつらぎ西ICの出口から高速を出ます。

かつらぎ西IC~笠田東

かつらぎ西ICを出たら、左折して県道125号に入ります。1.5キロほど進むと、国道480号に合流します。

かつらぎ西IC~笠田東

「笠田東」を右折してそのまま国道480号を進みます。

笠田東~高野山(大門)

あとは、大阪市内からのルートと同じです。

笠田東~高野山(大門)

「笠田東」から高野山までのルートについては、以下もご参照ください。 笠田東~大門

河内長野から高野山へ(空海も歩いた「高野街道」ルート)

東大阪、八尾、柏原、羽曳野、富田林、河内長野など、大阪府の東部から高野山に行く場合も、2017年に国道480号の鍋谷峠道路・父鬼バイパスが開通してからは、そちらを経由するドライブルートがスムーズです。

しかし歴史的には、河内長野から高野街道(国道371号)で和泉山脈を越えるルートが使われてきました。平安京の貴族たちも、そして弘法大師・空海も、この道をたどって高野山に向かっていたのです。

河内長野から高野山へ(高野街道)

「先人たちと同じ山を越えて高野山に行きたい」という人であれば、この高野街道を通って紀伊の国に入り、九度山から町石道を歩いて高野山の玄関口・大門を目指すのがおすすめです。 高野街道には、空海と「神様」との関係を伝える石仏の寺や、楠木正成ゆかりの古城や古戦場もあります。下赤坂城跡、上赤坂城跡、千早城跡も遠くないので、寄り道をするのもいいかも知れません。

ここでは、河内長野から高野山まで、高野街道を車で向かうドライブルートをご案内します。南海高野線にほぼ並行したルートです。 河内長野から高野山大門までの所要時間は、1時間20分前後です。

河内長野(七つ辻)~石仏南

このルートのスタート地点は、大阪府河内長野市の名物「本町七つ辻」交差点。全国でも珍しい、七つの道が交差する七叉路です(実は九叉路だという見方もあります)。 ここに合流している道のひとつが、高野街道。高野街道には、平安京からの官道だった「東高野街道」、大阪市内から高野山に向かう「中高野街道」や「下高野街道」、商都・堺と高野山を結んだ「西高野街道」などさまざまな分岐がありますが、この河内長野からは、そのすべてが合流した「高野街道」となります。 この七つ辻を起点としている国道371号を南に進みます。

河内長野(七つ辻)~石仏南

「石仏北」の交差点を左折し、国道371号のバイパスと合流。さらにその先の「石仏南」の交差点を直進し、バイパスに入ります。ただし、昔の雰囲気を味わいたい人は旧道を選んでも構いません。

「石仏南」交差点のすぐ近くにある「石仏寺(いしぼとけでら)」は、空海にゆかりの石仏が伝わる寺です。 石仏寺の正式名称は「曼陀羅山阿弥陀寺(まんだらさんあみだじ) 」で、奥の院に供養塔がある「ビジュアル系プロデューサー」法明が再興した融通念仏宗の寺院です。 通称の由来になった「石仏」は、空海が讃岐で修行しているときに、光を放つ3つの石を見つけ、それぞれに阿弥陀、天照大神、春日大明神を彫って「石仏」にしてここに置いたと伝わっています。 「阿弥陀はともかく、どうして天照大神や春日大明神が石仏なの?」と不思議に感じた人は、高野山奥の院のなぜ鳥居と五輪塔がセットに?のコーナーで解説していますので、そちらもご参照ください。 石仏寺から山道を登っていくと、楠木正成が築城した「石仏城跡」があります。楠木正成は、幕府軍の襲来に備えてこの一帯に支城をたくさん築き、金剛山地全体を城塞化していました。

石仏南~天見

国道371号のバイパス、または旧道を南に4キロほど進みます。

石仏南~天見

バイパスと旧道は、南海高野線の天見駅の先で合流します。 この辺りは「出合いの辻」と呼ばれています。この地名の由来は「男女の出会い」ではありません。楠木正成の軍勢と、鎌倉幕府側の軍勢が激突した「武士の出合い(遭遇戦)」があった場所なのです。

最初の挙兵に失敗し、しばらく潜伏していた楠木正成は1332年に再び挙兵し、赤坂城を奪還。またたく間に和泉・河内を制圧します。これに追討するため、鎌倉幕府方は「30万余騎」と言われる大軍を派遣。その一隊が紀伊から高野街道を通って河内に入ってきたものの、1333年の正月、この天見で楠木勢の挟み撃ち戦術にはまり、その隊はほぼ全滅したといいます。 「安満見合戦」と呼ばれるこの合戦は、鎌倉幕府が滅亡するきっかけとなった「千早城の戦い」の中でも最初の合戦のひとつです。有名な千早城の籠城戦だけでなく、金剛山地の各地で鎌倉方の軍勢を翻弄したことが、勝利につながったようです。

天見~橋本

天見から紀見峠の下のトンネルをくぐって、和歌山県に入ります。紀見峠は「紀伊見峠」とも呼ばれ、峠から紀伊の国を見渡せることが名前の由来になっています。

天見~橋本

山道を9キロほど下っていくと、高野街道と伊勢街道が交差する宿場町で、江戸時代には商業の中心地としても栄えた交通の要衝・橋本に至ります。

途中でバイパスと国道371号の旧道が分かれますが、どちらを進んでも構いません。地図ではバイパスを通るルートを表示しています。

橋本~清水

京奈和自動車道(けいなわじどうしゃどう)の橋本ICの南で、バイパスと旧道が合流します。バイパスから来た場合はここを左折し、引き続き国道371号を進みます。

橋本~清水

橋本の市街を通って、紀の川を渡った先の「清水」交差点では、少し注意が必要です。 国道371号はここで左折して東の方に向かっています。その後右折し、高野山の方に入っていくのですが、このルートでも高野山に行けるものの(奥の院の辺りから入ることになります)、道が狭い箇所が多いので、あまりおすすめできません。 おすすめなのは、「清水」交差点を直進して「紀の川フルーツライン」を進むルートです。

清水~高野山(大門)

以下の地図には、「紀の川フルーツライン」を通る道順が表示されています。 「紀の川フルーツライン」橋本市から九度山町を通って紀の川市までを結ぶ農道です。紀の川左岸のやや高い場所を走り、紀の川流域を見下ろしながら走れる人気のドライブコースです。信号もないので、バイクのツーリングスポットとしても知られています。

九度山町の南にある交差点まで、「紀の川フルーツライン」を進みます。

清水~高野山(大門)

九度山町にある交差点で左折し、南に向かいます。その次の「赤瀬橋」の交差点は直進し、丹生川を渡ります。ここからは「高野山町石道」南海高野線に沿った山道を進みます。 ある程度登っていくと、「矢立」の交差点で国道480号と合流します(直進で構いません)。そのまま国道480号で高野山の大門を目指します。

最新の交通情報

最新の交通情報、道路規制については以下のページをご確認ください。 ハイウェイ交通情報(関西圏) 大阪府の道路交通・気象情報