宿坊「天徳院」(高野山)

「天徳院(てんとくいん)」は、高野山の山上にある宿坊寺院のひとつ。「珠姫の寺」とも呼ばれます。 珠姫(天徳院)は、徳川家康と浅井長政の孫。短命でしたが、加賀の前田家にとってはこの上なく大きな役割を果たした女性です。豊臣政権下では徳川家にとって最大の脅威であり、江戸時代初期に取り潰されてもおかしくなかった前田家は、この女性を妻に迎えて「家康の血筋」を受け継いだことで、「百万石の大藩」として存続することができました。 天徳院のおすすめポイントや注意点、宿泊した人の口コミ評価、アクセス方法、特徴と歴史、予約サイトの比較などを掲載しています。

天徳院のおすすめポイント・注意点と宿泊料金の例

天徳院のおすすめポイント

・ 金剛峯寺、霊宝館、高野山大師教会などが至近距離という立地 ・ 空き状況によっては駐車場も長めに利用できる ・ 小堀遠州の庭園 ・ スタッフも親切だとの評判

天徳院の注意ポイント

・ 部屋や風呂等の管理状態について指摘する声あり(多くの宿坊に共通) ・ 部屋の外鍵がなくセキュリティ面の不安を指摘する声あり(同上) ・ 和式のトイレもあるため、洋式のトイレに近い部屋を希望するといいかも?

こんな人に向いているかも?

・ 便利な場所に高野山巡りの拠点がほしい ・ 前田まつと並ぶ加賀藩の恩人、珠姫に思い入れがある石川県民など ・ 日本庭園が好き。中を歩くことができなくても部屋から堪能したい ・ 浅野内匠頭や赤穂浪士に興味がある

料金プランの例(2名利用時・1人あたり)

・ 2食付(和室10畳) 11,000円(税込) 「天徳院」料金・空室検索(楽天トラベル)

天徳院への行き方

天徳院は、高野山の中心部にあります。壇上伽藍の東、金剛峯寺の南です。

天徳院の位置(広域地図)

電車&バスでのアクセス:

・ 南海高野線で極楽橋駅へ ・ 高野山ケーブルで高野山駅へ ・ 南海りんかんバス(高野山内線)で「「金剛峯寺前」停留所または「千手院橋」停留所」停留所へ

車でのアクセス:

・ ナビの目的地に電話番号「0736-56-2714」または住所「和歌山県高野町高野山370」を指定してみてください。 ・ 高野山までの車での行き方については高野山へのアクセスはどれを選ぶ?電車・車・バス・飛行機を比較もご参照ください。

駐車場は天徳院にもありますが、外の駐車場を利用する場合は「「金剛峯寺第2」駐車場」や「「金剛峯寺前」駐車場」が比較的近いです。

天徳院の位置(詳細地図)

天徳院の周辺には、高野山霊宝館、赤地蔵、六時の鐘、壇上伽藍金剛峯寺高野七弁天の綱引弁天などの見どころがあります。

天徳院の特徴

天徳院が創建された江戸初期の建物は火災で失われましたが、当時の面影を今に伝えているのが、客殿の南にある池泉回遊式庭園です。作庭は芸術面でマルチな才能を発揮した大名、小堀政一(小堀遠州、1579年~1647年)。池の中央に2つの島(鶴島、亀島)があり、石橋がつないでいる典型的な鶴亀スタイルです。 鶴と亀は長寿の象徴。短い生涯を終えた珠姫のための庭園を、小堀遠州はどんな思いをこめて作ったのでしょうか。 高野山には、小堀政一が手掛けたと伝わる庭園が3つ(残りは普門院と宝善院)ありますが、天徳院庭園はその中でも特に高い評価を受けており、国の名勝に指定されています(「重要文化財」と紹介されることも多いですが、文化遺産データベースには名勝のみで記載されています) 庭園の中を歩くことはできませんが、多くの部屋から鑑賞できます。特に「書院」の部屋からの眺めが素晴らしいです。 本尊は阿弥陀如来。奈良県指定の文化財「理趣経曼荼羅図」を所蔵しています。

天徳院の評判

天徳院に宿泊した人の口コミの中から、客観的に見て参考になる内容の一部を、箇条書きでまとめました。ただし、部屋の設備や精進料理の内容は料金プランによって変わりますし、悪い評価を受けた点は改善されている可能性もあります。

ポジティブな評価

・ 宿坊の方がとても親切だった ・ 金剛峯寺が目の前で最高の立地 ・ チェックアウト後も駐車場を使わせてもらえた ・ 期待以上のおもてなしを頂けた ・ 高野山に泊まるのは4回目だが、この宿坊は総合的に満足できた ・ 旅館と変わらないサービスがあり、さらに精進料理や朝のお勤め等、寺ならではの体験ができて感激 ・ やはり小堀遠州作の庭はすばらしい ・ 庭が綺麗で部屋もそれなりに清潔 ・ スタッフが礼儀正しく、食事も大変美味しかった ・ 周辺の無料駐車場は朝の10時頃に満車になるが、この宿坊に泊まると便利な場所に駐車できる ・ 精進料理はヘルシーだがボリュームがあり美味しかった ・ 高野山の中心地に位置し立地が最高 ・ 部屋の近くに綺麗なトイレがあった ・ 3つの宿坊に泊まったが、天徳院の庭園が最も広くてきれいだった ・ 部屋は新しく床の間付きの純和室で、ヒーターつきだった

ネガティブな評価

・ 部屋の絨毯の汚れが少し気になった ・ 精進料理はおいしかったが、味付けはもう少し薄めが良いかも? ・ 部屋に金庫があれば、良かった ・ トイレが和式だった(洋式のトイレもある) ・ 壁が薄く隣の部屋の音が聞こえる ・ 客室やチェックアウト後の荷物預けなどはセキュリティ面での不安がある(鍵等がないため) ・ 部屋は鍵が無い。せめて金庫があれば良かった ・ タオルの質が悪く使いにくかった ・ 風呂がかび臭かったのが少し残念

天徳院を予約できるサイト

天徳院での宿泊は、以下の予約サイトから手配することができます。

楽天トラベル

通常のポイント獲得率は1%で、貯めたポイント(楽天ポイント)は旅行の他、日常の買い物(通販やスーパーなど)で使えます。 登録されている国内の宿泊施設が最も多く、豊富な選択肢からじっくり選びたい人におすすめです。 楽天ユーザーであれば、楽天トラベルで予約した月の楽天市場での買い物のポイントが1%追加される(SPU+1倍)というメリットもあるので、それを目的に1泊だけでも楽天トラベルから予約するという人もいます。 「天徳院」料金・空室検索(楽天トラベル)

天徳院の歴史

天徳院は江戸時代初期(17世紀前半)に開基されたと考えられています。当初は「西光院」という名前で、もう少し南にありましたが、1622年(元和8年)、加賀藩第2代藩主・前田利常の正室、珠姫(たまひめ、天徳院 1599年~1622年)の菩提寺となった際に改称・移転しました。 珠姫は徳川秀忠とお江の娘。徳川家康と浅井長政の孫で、徳川家光の姉でもあります。前田家は1599年、前田利家の死後に徳川家と対立し、最大の危機に陥りましたが、前田まつ(芳春院)が人質となり、代わりに(同年に生まれたばかりの)珠姫が前田利常に嫁ぐという条件で和解しました。実際に婚儀が行われたのは関ヶ原の戦いの後の1601年、または1605年のことです。 利常との夫婦仲も良く、第3代藩主となる前田光高をはじめ、8人の子どもを短期間で出産しました(すべて実子かどうかは異説あり)。家康の子孫が藩主になったことは、加賀藩が外様でありながら、親藩に近い大名になったことを意味します。珠姫は、前田まつと共に、「加賀百万石」が存続・繁栄する上で大きな役割を果たした女性だったのです。 しかし1622年、珠姫は満23歳になったばかりで死去。同じ年に高野山に菩提寺が建てられたのは、前田まつ以来の前田家と高野山の深い関係によるものでしょうか。 珠姫の義妹(徳川家光の側室・徳川綱吉の母)である桂昌院(1627年~1705年)も仏教に深く帰依したことで知られていますが、1701年~1703年の赤穂事件(赤穂浪士の討ち入りなど)の後、浅野長矩と赤穂浪士の位牌を天徳院に祀らせています。 奥の院にある大型の供養塔と同様、高野山と、そこに生前は立ち入ることができなかった女性たちとの深い縁を物語る寺院です。

天徳院の情報まとめ

基本データ

住所
〒648-0211 和歌山県伊都郡高野町高野山370
TEL
0736-56-2714
FAX
0736-56-3618
チェックイン
午後3時~午前0時
チェックアウト
午前10時まで
部屋数
48室
駐車場
有り 20台 無料(先着順)

部屋の設備・アメニティ

テレビ| 電話| ファックス| 電気スタンド| 石鹸(液体)| ボディーソープ| リンスインシャンプー| ハミガキセット| タオル| 浴衣

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